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鳥や牛の生肉で食中毒 ネットお取り寄せ人気で増加?(J-CASTニュース)

 鶏刺し、鶏わさ、牛ユッケ、牛レバ刺しといった生肉を食べて食中毒になる人が年間数千人いる。特に菌の保有率が高い鶏の生肉を食べると、食べない人に比べて77倍、食中毒にかかるリスクがあることがわかった。昔は生肉を食べる習慣が一部の地域にしかなかったが、近年、ネットの「お取り寄せ」が人気で「生肉文化」が全国に広がっていることもあり、さらに増えている可能性がある。

 生肉を食べると、鶏、牛、豚などの腸管内に生息する菌「カンピロバクター」に感染することがある。鶏の保有率がもっとも高く、鶏刺し、鶏わさ、加熱不十分な鶏料理を食べて感染する人は意外と多い。鶏の生肉を食べる人とそうでない人を比較した感染率データ(内閣府食品安全委員会)によると、1食当たりの平均値は鶏肉を生食する人が家庭で1.97%、飲食店で5.36%。一方、生で食べない人は家庭で0.20%、飲食店で0.07%だ。飲食店での感染率を比較すると、生食する人はしない人に比べて感染リスクが約77倍にもなる。

■「新鮮な生肉なら大丈夫だ」というのは大間違い

 感染すると下痢、腹痛、発熱といった症状が1〜7日間くらい続き、他の食中毒菌に比べて期間が長いのが特徴だ。抵抗力が弱い小さな子どもや高齢者のほうがかかりやすく、重症化することもある。内閣府食品安全委員会によると、カンピロバクター食中毒の患者数は2001年以降、年間2000〜3000人程度で推移している。ただし、病院に行っていない人はカウントされていないので、「氷山の一角にすぎない」という。

 なかには「新鮮な生肉なら大丈夫だ」と思っている人もいるが、カンピロバクターに関しては大間違いだ。鶏は生きているうちに感染し、保存状態によって菌が増える類の食中毒とは異なる。一方、鶏がカンピロバクターに感染するのを防ぐのに有効な方法はわかってなく、感染していても鶏自体には症状が現れないため、生産者が見抜くことはできない。

 とはいえ加熱すれば菌は死滅するので問題はない。しかし生魚を食べる文化のある日本人は生肉を食べることの抵抗が少なく、鶏肉についても約2割の消費者が家庭や飲食店で生で食べている。内閣府食品安全委員会が一般消費者約6000 人と飲食店従事者約500 人に行ったアンケートでわかった。

■「小売店側でどのように売っているかはわかりません」

 昔は一部の地域でしか食べられていなかったが、地鶏ブームやネットの「お取り寄せ」が広がり、食中毒リスクはさらに増えると推測できる。東国原英夫宮崎県知事がひところ盛んにPRしていた宮崎県産地鶏を07年5月にネット通販で買い、刺身にして食べた埼玉県の7人が食中毒になり、話題になった。しかしこれは異例のことで、カンピロバクター食中毒はここ10年間、食中毒の上位を占めているにもかかわらず、集団発生しないのであまり知られていない。

 内閣府食品安全委員会の担当者は、

  「各自治体がホームページなどで知らせていますが生食によるリスクの認識が不十分な状況で、もっとPRしていかなければいけないと思います。生で食べるなとは言えないところが難しい点ですが、リスクを知らないで食べるのと、知って食べるのとでは違いますから」

と話している。

 一方、卸団体の日本食鳥協会は、

  「カンピロバクターに限らずサルモネラなどの問題もあるので、うちでは生食は薦めていません。小売店に卸す際には99%、生食を避けるように注意書きをしていますが、小売店側でどのように売っているかはわかりません」

といい、生食のリスクが消費者に伝わりにくいのが現状だ。


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